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イソジン「うがい薬」は口内殺菌として有効なのか?|うがい薬の副作用や水うがい・口腔ケアに関する効果も徹底解説

イソジン うがい

今回は、コロナ禍での「うがい薬」の新型コロナウィルスへの効果や使用上の注意などをまとめました。

 

結論を先に言うとポビドンヨード入りのうがい薬はコロナ陽性者(軽症者・無症状感染者)が”拡散予防”として一時的に使うには一定の効果があるが今後の継続研究も必要な内容です。

 

ただし、過度な使用や甲状腺異常のある人・妊婦の方などは使用をしてはいけません。この辺りも詳しく後述します。

 

また、うがい薬に限定せず「水うがい」の風邪予防効果や「歯垢除去」によってインフルエンザ感染率が10分の1まで減少する研究結果など口腔ケアがいかにウィルス対策に重要なのかを解説しています。

 

先日、大阪府の吉村洋文知事らがイソジンなどの「ポビドンヨード」入りのうがい薬の新型コロナウイルスへの効果を発表したことを受けて、全国各地でうがい薬の欠品が相次いだこともありましたが今では随分落ち着きました。

 

私がまとめた内容で一人でも多くの方が「うがい」に対して正しく認識してもらい、口腔ケアがいかにコロナに限らず風邪ウィルス全般の対策として有効なのかを知ってもらえると幸いです。

 

 

この記事でわかること

・吉村知事の「うがい薬」報道の一連の内容
・「うがい薬」の効果と使用上の注意点
・一般的な「うがい」に関する風邪予防の効果について

 

放送当時は全国各地で「うがい薬」の品切れが発生

うがい薬 品薄

吉村知事のうがい薬に関する発言を受けて、ドラッグストアを中心にうがい薬が品切れが全国で相次ぎました。

 

 

私の家の近くのドラッグストアを覗いてみたら見事に売り切れていました。

 

3月や4月頃に見られた「トイレットペーパー」や「マスク」の品切れと全く同様のことが今回も起こっています。 

吉村知事の「うがい薬」に関する発言と研究内容について

うがい薬 コロナ
吉村知事が府立病院機構大阪はびきの医療センターが軽症者を対象に実施した、うがい薬の使用有無によるコロナウィルスへの効果について研究結果を発表しました。

 

ポビドンヨードでのうがい薬の実験内容

うがい薬 コロナ

コロナウィルス感染者の軽症者41人を対象に「ポビドンヨードを含有しているうがい薬で1日4回うがいを行う」グループと「全くうがいをしない」グループの2つに分けて実験を行いました。

 

4日目にPCR検査をした際に「うがい薬でうがいをした」グループの陽性率は9.5%まで減少しました。一方で「全くうがいをしない」グループは40%までしか減少していないという顕著な差がでたという発表です。

 

この結果からポビドンヨードの成分が含まれたうがい薬でうがいをすると、唾液からコロナウイルスが検出量が著しく減少したと吉村知事は発言しました。

 

「うがい薬」の研究発表をした医師・松山晃文さんの質疑回答について

吉村知事らと研究結果を発表した「大阪はびきの医療センター」の医師・松山晃文がABCテレビのニュース番組「キャスト」に生出演し、質問に答えています。

 

・「コロナウイルスの対策にうがいは効果があるのか?」という問いに関しての回答


インフルエンザウイルスにはポビドンヨードのうがいではあまり有効ではないというデータが出ているんですが、(コロナウイルスは)口の中で非常に増えるということがわかってきたので、うがいすることによってウイルスが減らせるのではないかと仮定しました。

 

また、発熱症状がある人や接待を伴う飲食店の関係者、医療従事者などに積極的な使用をお願いしました。

 

・「コロナは舌の周りで増えるため、口の中のウイルスが減ることで人にうつしにくくなる?」という質問に対する回答

 

口の中で増えるウイルスはかなりレア。インフルエンザと全く違う考え方をしなければなりません。口の中で増えるから、どうしても人にうつしてしまうとか、肺に吸い込んでしまって肺炎になってしまったりする。人にうつすリスクは、だ液の中のウイルスが減ってくれれば、例えばソーシャルディスタンスの距離ももう少し近くできるかも知れない、などと考えている。

 

コロナウィルスが口の中で増えやすいという特徴を明確にしたことは、一つの価値のある発表だと私は感じています。上の回答のとおり、”うがい”による口内のウィルス量を減らすことは拡散予防に効果的だと言えます。 

 

・「重症化のリスクは減らせるのか」についての問いに対して

肺炎が起こるときには、肺の中にウイルスが到達しているので、ポビドンヨードのうがいでは全く歯が立ちません。ただし、口の中でウイルスが増えて口腔ケアが十分にできていない老人保健施設の方などの場合、「誤嚥」といってつばが中に垂れ込んで肺炎を起こすんですね。老人保健施設ではクラスターも起こしやすいので、口腔ケアの一環として、ポビドンヨードのうがいをしていただくと、肺炎の予防、重症化の予防につながるのではないかと考えています。

 

誤嚥(ごえん)とは、本来なら口腔から咽頭、そして食道を通って胃に送られるべき食べ物が、誤って喉頭と気管に入ってしまう症状のことです。 

 

今回の研究結果は「コロナウィルスを含んだつば」が誤嚥により肺に入ってしまうことによる肺炎の発生を予防できる可能性があることを示唆しています。

 

・うがいをすることでPCR検査でウイルスが検出されにくくなり、陽性者が検査で「陽性」と出ない可能性があるのでは?という問いに対して


うがいでは鼻の中のウイルスは消えないので、検体の取り方を工夫すればそこはクリアできるはず。1回のうがいでは数時間しか効果が持ちません。2時間後、3時間後ではウイルスは再度陽性になってきますので、うがいを継続的にした人は「陰性」になるとうことはあると思います。検査方法については、これから行政と考えていく。

 

最近は唾液でのPCR検査が多くなっているので、日常的にうがい習慣がある方は一時的に陰性と判定される可能性は否めません。なので、今後は元々主流であった鼻メインでの採取方法を検討していくことを考えているようです。

一部SNSでの吉村知事への批判的な意見に対しての補足説明

 

口の中のコロナウイルスが減少するという結果。予防効果があるわけではないが、人にうつさない新たな選択肢としては可能性があると思っている」と話しています。

ポビドンヨードうがい薬の注意点・副作用

ポビドンヨードを使ってはいけない人」は以下となりますので、注意しましょう。

甲状腺機能に異常がある方
・アレルギーを持っている方
・妊婦・授乳中の方

 

また、ポビドンヨードの場合、うがいをし過ぎるとのどを痛める可能性もあります。さらにのどが弱くなると他のウイルスに感染しやすくなるという弊害もあります。

 

以下、イソジンの用法容量に関する抜粋です。

 

1.次の人は使用前に医師,薬剤師または登録販売者に相談しましょう。

(1)薬などによりアレルギー症状をおこしたことがある人 
(2)次の症状のある人⇒口内のひどいただれ 
(3)次の診断を受けた人⇒甲状腺機能障害


2.使用後,次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので,直ちに使用を中止し,この文書を持って医師,薬剤師または登録販売者にご相談ください。

[関係部位:症状]
◇皮膚:発疹・発赤,
◇かゆみ口:あれ,しみる,灼熱感,刺激感
◇消化器:吐き気その他:不快感

 

[症状の名称:症状]ショック(アナフィラキシー):使用後すぐに,皮膚のかゆみ,じんましん,声のかすれ,くしゃみ,のどのかゆみ,息苦しさ,動悸,意識の混濁などがあらわれる。

現状での「うがい薬」の効果に関する結果まとめ

「うがい薬」まとめ
唾液中にコロナウィルスは多く含まれる特徴があるため、”拡散予防”に対して効果がありそう。

・「コロナ感染予防」については現段階では認められていない。今後も検証を続ける。

高齢者の「誤嚥」による肺炎リスク低減には効果がある可能性があるが、検証中。

甲状腺機能に異常がある方やアレルギーを持っている方、妊婦・授乳中の方は使用を控える。また、うがい薬の使い過ぎも喉を傷める懸念あり。

つまり、マスク同様に”人にうつさない”という意味で拡散予防には効果がありそうです。

 

また、「うがい薬」で ”つばの誤嚥”による肺炎発生リスクを低減できるという点は注目すべき点だと思いました。

 

風邪予防には「水うがい」が効果ありという研究結果も

うがい コロナ

実は風邪には「うがい薬」より「水うがい」の方が効果があり、風邪のリスクを約4割減らせるという研究結果もあります。

 

2005年に予防医療学の専門家である京都大学名誉教授の川村孝氏は、口の中の常在菌も殺菌してしまう懸念から風邪予防として「うがい薬を使わないほうが良い」との研究結果を発表しています。

 

さらに今回の吉村知事の発表についても「ポビドンヨードは、ウイルスだけではなく、口の中にいる細菌を根こそぎ絶やしてしまいかえって防御力が落ちてしまう可能性」があると指摘しています。

「水うがい」と「うがい薬」での風邪への効果実験

 

387人の日本人を対象として、3グループ(A,B,C)に分類し、実験を行いました。

Aグループ:水でうがい
Bグループ:うがい薬(ポピドンヨード)でうがい
Cグループ:うがいをしない

 

うがいをするAとBのグループは、口うがい(口に水を含んで、上を向いてガラガラ)を1回・のどうがい2回を1クールとして、1日3クール(つまり1日9回のうがい)を2ヵ月続けました。

 

そして、この間にどれだけの人が風邪をひくかグループごとの違いを調査しました。

うがい 研究結果

この結果から、以下のことが結論づけられました。

うがいによる風邪への効果 
・水うがいを行なったAグループはうがいをしなかったCグループに比べてカゼにかかる割合が36%減少した。

・水うがいを行なったAグループはカゼを引いても症状が軽くなる傾向

・うがい薬を使用したBグループは、うがいをしないCグループとほとんど変わらない結果(少しだけ改善傾向は有)

・うがいの推奨方法は「喉の中で乱流を起こすような空気を含んだガラガラうがい」であることがポイント
うがいの風邪予防比較
水うがい(効果大)>>うがい薬≒>うがい無し(効果低) 

川村氏のうがい研究結果に関するメカニズムの説明

うがい 川村

出典:カンテレ

 

水うがいは、コロナウィルスを含むウイルス全般の感染を助けるタンパク質「プロテアーゼ」を除去することで効果を発揮していると考えられます。

 

プロテアーゼは一種の酵素でありの中に入ってきた細菌が作り出すこともあれば、空気中の埃の中にも存在するものです。プロテアーゼが水うがいによって洗い流され、ウィルス感染リスクが軽減した可能性が高いと考えられるとのことです。

「うがい薬」の結果に関する見解

口や腸の中には、さまざまな細菌がいて、いい菌もいれば、そうでない菌もいて、一定のバランス(秩序)を保っているのです。

 

しかし、「うがい薬」では強力な殺菌作用があるため、その均衡が崩れてしまいます。タンパク質変性作用が強いので、正常な組織を傷めている可能性も考えられるとのことです。

 

このように、一般的な風邪予防としては、「水うがい」の方法がコストもかからずおすすめです。

 

Youtubeで川村孝氏本人がうがいの実験について解説

Youtubeで川村孝氏本人が先ほど紹介した「うがい」に関する実験と効果について分かりやすく解説していますので、おすすめです。

 

府立病院機構大阪はびきの医療センターの研究では「水うがい」の効果については実験をしていなかったので、今後は「水うがい」も研究対象としてぜひ進めてもらいたいものです。

「歯磨き習慣」がコロナ感染・拡散予防に効果的な可能性も

歯磨き コロナ

先ほどの研究例を正しいと仮定すれば、朝・昼・夜と1日3回の歯磨き習慣とあわせればウィルス感染・拡散予防に繋がる可能性もあります。歯磨きをすれば必ずうがいもしますよね。

 

実は、歯垢を取り除く(歯の専門家での口腔ケア)ことでインフルエンザに感染するリスクを10分の1まで減らせるという研究結果があります。

 

歯垢からは「プロテアーゼ」と「ノイラミニダーゼ」というウイルス感染に大きな影響を及ぼす2種類の酵素が発生しています。

 

プロテアーゼの作用によりウイルスはより粘膜を通過しやすい状態になり、ノイラミニダーゼの作用により細胞内で増殖したウイルスは、周囲の細胞に拡散しやすくなります。

 

したがって、この2種類の酵素によってウイルスに対する抵抗力が低下します。つまり、簡単に言い換えると歯垢を除去することがウイルス感染対策として有効とも言い換えられます。

 

また、一般的には歯周病による炎症もウイルス感染を促進させるので、口腔ケアが大切です。

インフルエンザ 口腔

出典:医療法人社団 慶実会

 

実際に、上のグラフのとおり、インフルエンザに関して言えば歯科衛生士による歯の専門的口腔ケア(清掃)をした場合には、インフルエンザの発症リスクが10分の1になることが研究で分かっています。

 

つまり、うがいはもちろんのこと、歯磨きなどで口の中を衛生的に保つことが実は風邪予防にも繋がるということになります。

 

まだ、具体的な効果の程度はわからないものの風邪予防の一環と思って、特にコストもかかるわけでもなく、副作用も全く無い「歯磨き」と「水でのガラガラうがい」を習慣づけることをおすすめします。

押さえておきたいコロナ予防方法

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改めて私が探し回った中で特に効果がありそうだと思った予防方法を簡単に紹介します。知っているか知らないかだけでも差がつくと思います。

「正しい手洗いの方法」を習得しましょう

「手」がウィルスを運ぶ接触感染の最大の原因と言われています。したがって、いかに手を清潔に保つかが重要です。そのためにはまずは「効果のでる手洗いの方法」を習得し、実践しましょう。

 

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出典:https://www.jichi.ac.jp/center/sinryoka/kansen/taisaku_01.html

 

重要なポイントとしては「手と手の隙間」「指先」「手首」まで入念に洗うことが大切です。外に出たり、電車に乗った際には帰宅後に、石鹸でしっかり手洗いをしましょう。

 

ウィルスの侵入経路は主に「鼻、口、目」です。「手で目をこする行為」も感染原因の一つになりますので、極力避けましょう。

 

どうしても目や口や鼻などを触りたい時は、先に紹介した方法で、入念に洗うことをおすすめします。くしゃみをした後にもティッシュはすぐに捨て、手洗いを徹底しましょう。

 

また、コロナウィルスの対策方法として、新たに注目されつつあるアイテムがあります。それは「紫外線(UV-C)」を使った殺菌です。

 

実際に、紫外線を使った殺菌は以前から「医療機関」や「介護施設」などで導入されています。

 

中でも最も触る回数が多いものが「スマホ」とも言われています。「スマホにトイレ便座の10倍の細菌が付着していた」というアメリカの大学の調査結果もあるほどです。

 

下記で「紫外線UV-C除菌」について詳しく解説しています。

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アルコール消毒で感染予防対策

”手”には目に見えない細菌がたくさん付いています。

 

私たちはモノを触らなくては生活できないですよね。先ほどお話しした「電車のつり革」や「ドアノブ」だけでなく「スマホ」や「パソコンのキーボード」など色々なものを触ります。

 

その対策として「消毒用アルコール」も手洗いと併用して使うと大変効果的です。消毒用アルコールで菌を死滅させることができます。

 

モノの消毒には次亜塩素酸ナトリウムが使えます。消毒薬液をペーパータオルなどで湿らせ拭き取りましょう。噴霧は避けましょう。

 

また「次亜塩素酸水」を活用した対策方法についても紹介しています。

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使用の際には換気し、「使用上の注意」をしっかりチェックしてくださいね。

 

 

 
このように厚生労働省の公式Twitterからも「アルコール消毒」は効果があるとはっきり発表されています。

正しいマスクの付け方を習得しよう!

マスク付け方

マスクは飛沫などの”拡散予防”には大変効果的です。実際にマスク習慣の無いヨーロッパやアメリカでは日本の比にならない人数の感染者が出てしまっています。

 

マスクをつけることで、「咳やくしゃみ」によるウィルス拡散を予防できます。さらに手で鼻や口に触れる機会が減るという効果も期待できます。

 

さらに鼻が詰まっていて口呼吸の人がマスク無しではさらにリスクはあがります。例えば「マスクのゴムは外側」にした方が侵入率が4割ほど効果でるようです。

 

 

ただし、今の真夏の暑い時期は熱中症のリスクもあがるので、適度に使用しましょう。熱中症対策の一環として”ハンディファン(携帯扇風機)”が人気です。

 

下記で詳しく解説しています。

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最近の売れ筋マスクは下記で紹介しています。暑い時期には”ピッタマスク”などのウレタン素材が呼吸もしやすくおすすめです。

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まとめ

吉村知事の「うがい薬」のコロナ対策に有効であるという発言を受けて、「うがい薬」の新型コロナウィルスへの効果や使用上の注意などを研究結果を例にまとめました。

 

結論として、現段階ではコロナの陽性者が拡散予防として使うのには有効であることが示唆されていますが、感染予防としては、研究が不十分な状況なので、今後も検証を続けて頂きたいです。

 

川村氏のうがい実験の結果からすると、「うがい薬」を使わなくとも「水うがい」は口内で増殖する風邪のウィルスには一定の効果があることが立証されています。また、歯垢除去」によってインフルエンザ感染率が10分の1まで減少する研究結果など口腔ケアがいかにウィルス対策に重要なのかについての研究データもでています。

 

メディア報道やSNSでの反応に対して感じること

SNSなどのインターネットの情報を見ていると、メディアの報道内容の一部をそのまま鵜呑みにしてしまい”良いか悪いか”の両極端で判断する人が一定数いるように感じています。

 

特にテレビでの報道は一部のインパクトのある発言ばかりが切り取られ、誤解が生じてもおかしくないような編集も多々あり、炎上などの社会問題も顕在化しています。

 

もちろん時にはフェイクニュースなどの間違った情報がさも正しいかのように拡散されるような事もあります。

 

この情報化社会で正しく判断していくには、我々国民一人一人が目にしたもしくは耳にした情報からまずは興味をもち、各自でしっかり調べ、正誤を判断していく力も必要なのではないかと改めて今回のうがい薬報道をうけて感じています。