新型「コロナウィルス(=COVID-19)」が世界各地で大流行の一途を辿っています。
最近、新型コロナウィルス(=COVID-19)による対策方法がいろいろと提示される中で、マスクには「予防効果が無いのではないか?」などとの声もあがるようになってきました。
先に結論を述べておくと、今や無症状感染者も出ており、三次感染、四次感染と感染ルートが追えない状況を考えれば、自分は感染してないという保証は何もありません。したがって、マスクは拡散予防のためにも必須です。
今回はコロナウィルス(COVID-19)に関する最新情報とマスクは必要なのかに関して議論をまとめました。
- 新型コロナウィルス(COVID-19)情報
- コロナウィルスに有効なワクチンはあるの?
- マスクは本当に必要か?不要か?
- 専門家による様々なマスク論争
- 香港大学の研究グループがマスク着用の有効性に関して発表
- アメリカのCDCもマスク不要という従来の見解を修正
- マスク論争の現状での結論
- 私たちがマスク以外で感染症予防にするべきことは?
- まとめ
新型コロナウィルス(COVID-19)情報
引用:(c)AFP / John SAEKI AND Laurence CHU
今や他感染者は6万人を超え、死亡も1500人を超え、SARSの死者数である774人上回る状況となりました。武漢帰国者受け入れ先探し困難も難しい状況になっています。
クルーズ船に乗っていた香港の男性が新型コロナウイルスに感染していた問題で、現段階で乗船者のうち60名以上からコロナウイルスの陽性反応があったと発表されました。うち邦人は21人という割合になっています。検査が終わった方の中で218名の方の陽性が確認されています。
また、クルーズ船でコロナウィルスに感染している人の8割が60歳以上であることがわかっています。
日本の都道府県別のコロナウィルス感染マップはこちらで確認できます。
https://gis.jag-jahttps://gis.jag-japan.com/covid19jp/pan.com/covid19jp
新型コロナウィルスの症状
主には「肺炎」で、「発熱と咳」の症状がでます。その他、下痢や息切れなどの症状もあるようです。また、倦怠感が長く続くのも特徴です。
また、このウィルスは人から人への感染があることと、一部の報道では抗体ができず何度も発症を繰り返す可能性があると言われています。
目安として「37.5℃以上の発熱と咳」の症状がある方は病院で診てもらいましょう。その際には他人にうつさない為にも必ずマスクをしてくださいね。
さらに怖いのが、コロナウィルスに感染した人の中でも無症状の人もいるようです。その為、本来コロナウィルスに掛かった場合は隔離しなければならないですが、無症状のまま帰宅し、発症したケースが確認されています。
「37.5℃以上の発熱と咳」の症状がある方は、必ず病院で診てもらいましょう。
新型コロナウィルスの潜伏期間
新型コロナウィルスの潜伏期間は平均5日前後で、「最長24日」との発表もありました。ウィルスの中では長いので、注意が必要です。
新型コロナウィルスの感染力
新型コロナウィルスの感染力はインフルエンザとほぼ同じ程度の感染力と考えてよいです。感染者1人当たり1.4人から2.5人以上にうつす可能性があります。インフルエンザは毎年1000万人ほど感染者がいますので、無視できない数字です。
コロナウィルスに有効なワクチンはあるの?
【肺炎 ワクチン開発に18カ月】https://t.co/zXHFVfGG3y
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) February 11, 2020
WHOのテドロス事務局長はスイス・ジュネーブで開いた記者会見で、新型コロナウイルスへのワクチン開発に18カ月を要するとの見通しを示した。WHOは新型肺炎を「COVID-19」と命名。
現状では、コロナウィルスに正式に有効とされるワクチンはありません。ただし、WHOの最新の発表でワクチンの開発に18ヵ月かかると発表しました。1週間で万単位で感染者が増えている中国を例にとると1年も待っていられないというのが皆の正直な感想かと思います。とはいえ、少しでも早くワクチンの開発に力を入れてもらいたいものです。
厚生労働省からのコロナウィルスに関する注意喚起
厚生労働省からも下記のように注意喚起がなされています。
○新型コロナウイルス感染症は、我が国において、現在、流行が認められている状況ではありません。国民の皆様におかれては、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人お一人の咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。感染症対策に努めていただくようお願いいたします。
○湖北省から帰国・入国される方あるいはこれらの方と接触された方におかれましては、咳や発熱等の症状がある場合には、マスクを着用するなどし、事前に保健所へ連絡したうえで、受診していただきますよう、御協力をお願いします。また、医療機関の受診にあっては、湖北省の滞在歴があることまたは湖北省に滞在歴がある方と接触したことを事前に申し出てください。
【多くの方が集まるイベントや行事等の参加・開催について】
〇多くの方が集まるイベントや行事等に参加される場合も、お一人お一人が咳エチケットや頻繁な手洗いなどの実施を心がけていただくとともに、イベントや行事等を主催する側においても、会場の入り口にアルコール消毒液を設置するなど、可能な範囲での対応を検討いただけますようお願いいたします。
厚生労働省からの注意喚起の内容としては、特に咳や発熱のある方に対してマスクの着用を推奨しています。さらに、「手洗い」も大切だと記載されていますね。基本的には他の感染症と対策方法は変わりません。
新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年2月10日版)
マスクは本当に必要か?不要か?
マスクは効果があると考える人の意見
・使い捨てマスク(サージカルマスク)はウイルス自体をシャットアウトすることはできないが、飛沫は粒が大きいため通さない。
・マスクをしていると顔を簡単に触らなくなるので、手についたウイルスが鼻や口に入りにくい。
・「他人にうつさない」という意味ではマスクは一定の効果はあると専門家も話しているため、拡散予防のために必要。
・花粉の大きさはマスクの目の大きさより大きいので花粉症には間違いなくマスクの効果がある。
・手で顔を触るのを防げる意味で効果がある
・飛沫は粒が大きい為通さない
・他人にうつさないという拡散予防のために必要
マスクが効果がないと考える人の意見
・マスクの隙間に対して、ウィルスの大きさは小さい
・マスクの上に付着した場合は手に着く可能性がありそう
専門家による様々なマスク論争
・マスク着用だけでは上気道感染の予防効果は低いので、マスクの効果には疑問が残る。
・2010年に出たWHOのウイルス拡散予防の資料によると、インフルエンザウイルスが手に触れると、5分以内にその感染力が100分の1から1000分の1と、大きく減ることがわかっています。つまり、マスクの表面についたウィルスに関しては、仮に付着しても時間とともに大幅に感染力が弱まることが科学的に証明されています。
・くしゃみの飛散をある程度防げるので、他人に対してウイルスをまき散らす機会が減る「他人に風邪をうつしにくくなる」という意味で有効的である。
・上気道感染の予防には効果が低い
・マスクが仮に表面に付着しても5分で感染力が1000分の1まで下がる
・他人にうつしにくくなる(拡散予防)
香港大学の研究グループがマスク着用の有効性に関して発表
通常の「かぜ」のコロナウイルスに感染した患者が、一般的に使われる使い捨てのマスクをすると、ウイルスはマスクの外に出なかった
と実験結果を香港大学などのグループが発表しました。
新型コロナウイルスでも、患者がマスクをすることで感染拡大のスピードを抑えられる可能性を示唆しています。
実際アメリカやWHOでは当初、マスクはあまり重要ではないという立場だったのが、最近になってマスクの着用を国民に義務づけるなど一定の効果を認めています。
マスクの効果を患者の実験で確認 香港大学など研究グループ | NHKニュース
アメリカのCDCもマスク不要という従来の見解を修正
アメリカのCDC=疾病対策センターは、「新型コロナウイルス対策でマスクは不要という従来の見解を修正し、着用を勧める」新たな指針を発表しています。
CDCでは、急激な感染拡大の要因に無症状の人からのウイルスの広がりがあるとして、多くの人がマスクやスカーフで口を覆うことで拡散を防ぎ、拡大の勢いを抑える効果をねらっています。
ニューヨークを中心にアメリカで急激な感染拡大が生じた原因としては、やはりイタリア同様にマスクをする習慣が無かったことも一つに挙げられます。
アメリカのCDCもマスク着用を正式に勧めている
マスク論争の現状での結論
マスクに関する効果の有効性に関して、科学的エビデンスが少ないのが現状ですが、香港大学での発表にもある通り、近年その効果の有効性に関しても認められつつあります。
厚生労働省も「他人にうつさない(拡散予防)」ために必要であると述べていることや、直接顔を手で触らないという意味、飛沫による粒の予防、喉の乾燥を防ぐという観点からマスクには一定の効果があると考えています。
一般的に使われる使い捨てマスクは拡散予防ついて一定の効果が認められるという研究発表も徐々に出てきているので、全く無駄ということは無く、やはり付けたほうが良いと言えます。
マスクがウィルスを外に出さないという研究結果を正しいとすれば、マスクを付ける人が増えれば増えるほどその拡散予防効果が増すといえます。
私たちがマスク以外で感染症予防にするべきことは?
「手」を介した感染が、一番多い感染パターン!
・鼻をかむ
・鼻を手でこする
・くしゃみ
・咳を手で覆う
・痒くて目をこする
このような行為でウイルスが手にたくさん付着します。この手で、電車の吊革、手すり、ドアノブに触れると、そこにウイルスが付着します。
そこを別の人が触れ、その手で鼻や口のまわりを無意識に触れることで感染が起こります。
コロナウィルスは「エンベロープウイルス」であるためアルコールが弱点!
ウイルスはエンベロープのあるウイルス(エンベロープウイルス)と、エンベロープのないウイルス(ノンエンベロープウイルス)に分けられます。
エンベロープウイルスは、アルコール消毒剤によりダメージを受けやすいのに対し、ノンエンベロープウイルスは、アルコール消毒剤が一般的に効きにくい傾向にあります。
代表的なエンベロープウィルス
新型コロナウイルス
インフルエンザウイルス
ヘルペスウイルス
風疹ウイルス
B型やC型肝炎ウイルス
エイズウイルス
これらのウィルスにはアルコール消毒が有効だと科学的にも証明されているので、しっかり活用していきましょう。
手など皮膚の消毒を行う場合には、消毒用アルコール(70%)を、物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効であることが分かっています。
「手」の消毒には消毒用アルコール(70%)が有効
「物の表面」の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効
コロナウィルスの予防法に関しては下記でも紹介しています。
うがいも科学的に効果があるというデータあり!
うがいの効果に関しては科学的に実験データが残っており、効果があると証明されています。
「水道水」でうがいをした群のみ、対照群と比べて、上気道感染を起こす率が約3割減少しました。
また、「ヨード水」でうがいをした群では対照群と有意な差がなかったようです。
うがいをすれば上気道感染を起こす率が約3割減少!
まとめ
今やコロナウィルスは無症状の感染者もいるような状況かつ感染力がSARSやMERSと比べても高いことから、お互いの拡散予防のためにマスクは必須だと考えます。これだけ全国的に広がっており、三次感染、四次感染と感染ルートが追えなくなってきているので、自分だけは大丈夫だというという過信はやめましょう。
・マスクは咳や発熱などの症状が出ている人は必ず必要。
・症状が無い健康な人はマスクを付けることで手で顔を触らない予防や飛沫感染に対しては一定の効果はありそうなので、適度に活用しましょう。
・アルコール消毒は科学的に効果があることが証明されている。
・うがいについても科学的に効果がある。ただし、「水道水」と「ヨード水」の有意差はない。