高音質重視のハイエンドなワイヤレスイヤホンを探している方へ向けてHIFIMAN JAPANから12月2日に新発売となった「TWS800」の実機レビューを紹介します。
TWS800の主な特徴としては、独立したアンプがイヤホン本体に内蔵され、さらにHIFIMAN独自開発の「トポロジー振動板」を採用している点です。それぞれの楽器が混ざらずに分離感が良く、細かい音まで鳴らしてるおすすめなワイヤレスイヤホンです。
また、メタリックな外観と赤く微かに光るLEDが高級感を引き立ててくれるお洒落感満載なイヤホンです。AirPods Proのようにはかぶらないので、適度に目を引くカッコいいイヤホンです。
今回、現役スピーカー設計者としても視点も交えつつ、「TWS800」について詳しくレビューをしたいと思います。
- オーディオメーカ「HIFIMAN」とは?
- HIFIMAN TWS800の基本スペック
- TWS800の実機レビュー(外観・デザイン)
- TWS800の気になる点
- TWS800のおすすめポイント(メリット)
- TWS800のペアリング方法(iPhoneの場合)
- まとめ
オーディオメーカ「HIFIMAN」とは?
HIFIMANは、Fang Bian氏がニューヨークで2007 年に創設した会社です。早くからハイレゾオーディオの重要性に着目したオーディオ企業のひとつです。
HIFIMANはその功績が広く認められ2019年から一般社団法人日本オーディオ協会の会員となっています。
HIFIMANの製品はオーディオマニアを熱狂させたHE5平面駆動型ヘッドフォンを始めとして、高性能ヘッドフォンとポータブルオーディオを最も多く開発したメーカーのひとつとして認知されています。
HIFIMAN TWS800の基本スペック
・電源追オフ⇒自動:一定時間操作が無いと休止モードorタッチし続ける
・再生⇒LまたはR側を1回タッチ
・一時停止⇒LまたはR側を1回タッチ
・着信受話/通話終了⇒LまたはR側を1回タッチ
・Siri⇒音が鳴るまでタッチ(数秒)
・音量上げる⇒R側を2回タッチ
・音量下げる⇒L側を2回タッチ
・次の曲へ⇒L側を3回タッチ
・冒頭に戻るor前の曲へ⇒R側を3回タッチ
TWS800の実機レビュー(外観・デザイン)
TWS800の同梱品は
同梱品は「ワイヤレスイヤホン・ケース(800mA)・USB-Cケーブル・シリコーン製イヤーアダプター・説明書」になります。
シングルフランジ:XS/S/M/L
ダブルフランジ:S/M/L
トリプルフランジ・ロング
HIFIMAN TWS800のケース外観
充電ケースは高級感ある”メタリック”な外観と、中央部は樹脂の2色構造になっています。
ケースは手のひらには収まる大きさですが、一般的なケースよりも径・高さは大きめな印象です。重量感が少し感じられます。
USBの充電端子「Type-C」対応になっており、コネクターの裏表を一切気にすることなく充電ができるストレスフリー端子です。
HIFIMAN TWS800のイヤホン本体の外観
バッテリー残量はケースの蓋を開けると確認できます。
・赤3つ→60%以上
・赤2つ→40%以上
・赤1つ→20%未満
ケースを開くとこのようにイヤホンが収納されています。イヤホンはケース同様メタリック調の独特なデザインになっています。
ペアリング時にはケース中央のランプが青色に点滅します。
左右に「HIFIMAN」のロゴ「H」が刻印してあります。
イヤホン内側にはL・Rの文字がそれぞれ区別できるように印字されています。
イヤーピースを外すとこのように丸みを帯びた”カナル型イヤホン”になっています。冒頭の写真で示した通りイヤーピースが8種類もあるので、それぞれ耳にあったサイズを選びましょう。
・耳に適度にフィットするので、豊かな「低域」を再現
・遮音性が高く、ノイズキャンセル要らず
・激しい運動をしても、耳から落ちにくい
■デメリット
・周囲の音が聞こえないので、電車のアナウンスなどを聞き逃しやすい
・耳への圧迫感がある
HIFIMAN TWS800の装着感・見た目は
イヤホン本体が少し大きめでデフォルトのイヤーピースの装着感は正直あまり良くなかったのですが、”8種類”もの豊富なイヤーピースがついていたので、うまくフィットするものがあったので問題ありませんでした。
HIFIMAN TWS800の重量は
ケースは合計「90g」でした。
ケース重量(本体込み):90g
イヤホン重量(L・R):14g(片耳:7g)
TWS800の気になる点
・デフォルトのイヤーピースがフィットしにくく、装着感がいまいち
・3万円台というハイエンドの価格帯であるので、”ノイズキャンセル機能”も付けてほしかった。
筐体の大きさからなのか装着感が少し悪かったです。
個人差もあると思いますが、私の場合、イヤーピースが耳からズレやすかったです。耳とイヤホンがフィットするイヤピースから探すことになると思います。ただし、イヤーピースはどこのメーカよりも豊富に付属しているので、ご自身の耳のカタチにあったモノをしっかり選びましょう。
3万円台という決して安くはない価格帯であるので、同価格帯で引き合いに出されるAirPods ProやSONY,BOSE,ゼンハイザー(Momentum2)などと同様に”ノイズキャンセル機能”も付けてほしかったですね。
ただし、それだけ”音質で勝負しにきた”という自信もうかがえます。
TWS800のおすすめポイント(メリット)
音質面はワイヤレスにもかかわらず素晴らしい出来です。特に「中高域の音の分離感」と「音の広がり感」が秀逸です。
言い換えると、鳴っている楽器が混ざらず区別でき、聴いててリラックスできる聴き疲れしない心地よい音に仕上がっています。また、低音は割と控えめですが、鳴ってないわけではなくあくまで主張しないだけなので問題ありません。むしろ長時間聞きやすいというメリットや低音で埋もれていた楽器がより鮮明に引き立つ印象です。
個人的には、エレキギター・ベース・スネアドラム・ハイハットの鳴りが好きです。中でもギターの鳴りにクセがあり、独特で新鮮です。YOASOBIなどのピアノ、打ち込みドラムの音も良い感じになっています。
音の分離感は歪(THD)と相関があります。低域の歪はボイスコイルのセット位置とスティフネスの対称性が重要になりますが、TWS800では150Ωと高インピーダンスな合金製ボイスコイルを採用しています。
このようなこだわりと実際の聴感上感じられる分離感からも対称性の良いBLカーブになっているのではないかと推測されます。
音質を最も左右する要因であるスピーカの振動板には特殊なナノ粒子コーティングを振動板表面に施した独自開発の「トポロジー振動板」を用いており、クリア感があります。
音質面での評価も高い約9万円の有線イヤホンRE2000や前モデルTWS600にも同様の振動板が使用されており継承しています。
私もスピーカー設計を約10年ほどしてきましたが、トポロジー振動板は正直初耳でした。分解していないので詳細は不明ですが、紙,PET,PEI,PEN,PUなどの振動板にナノ粒子を噴霧することで、より音の明瞭度をアップさせたのではないかと思います。
低価格帯のイヤホンはどうしても筐体がチープなプラスチック感がある一方、メタリックで高級感ある見た目もカッコよくて好きです。
TWS800のペアリング方法(iPhoneの場合)
「HIFIMAN TWS800」をタップしましょう。私は既に設定が完了していたので、「接続済み」と表示されています。僅か3ステップの数十秒で完了しますので、簡単です。
まとめ
高音質重視のワイヤレスイヤホンを探している方へ向けてHIFIMAN JAPANから12月2日に新たに発売となった「TWS800」の実機レビューを紹介しました。
3万円以上するハイエンドイヤホンであるだけあって、振動板やボイスコイル、アンプ内蔵など随所に職人技を感じさせる工夫があります。実際にその細かいこだわりにより、きらびやかでクリアな心地よい音質に仕上がっていて、好きです。
音へのこだわりが強いオーディオマニアにおすすめしたいワイヤレスイヤホンです。
HIFIMAN TWS800
音質
通信安定
バッテリー
防水(IPX4)
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