今回、ゼンハイザーからついに待望のハイエンドモデル「MOMENTUM True Wireless 3」が発売になったので、さっそく実機レビューを紹介します。
結論から言うと、前作のVGPアワード2019Summer and 2020で金賞を連続受賞した「MOMENTUM True Wireless 2」から音質面やノイズキャンセルなどの機能面でさらなる進化を遂げた完全ワイヤレスイヤホンの最高峰といえます。
Amazonのレビューを見ていても☆5の高評価が圧倒的で
・2年待った甲斐があった
・MOMENTUM True Wireless 2 と全くの別物です。音の解像度、クリア、低音が全て上回っています
・高音の伸びと残響感は有線かと思うレベル。低音も素の状態で十分足りてるけどバスブーストでさらに足せる。あとアプリのサウンドチェックで実際に好きな曲聴きながらイコライザーの調整できるのも少し楽しい。
などのコメントも見受けられMOMENTUM2からファンになっているユーザーの期待にしっかり応えたカタチになっています。
私もかれこれ数十機種のワイヤレスイヤホンのレビューと試聴をしてきた中でもゼンハイザーのイヤホンの音質はとりわけ音のクリアさが群を抜いていてとても好きです。
今回新たに発売になったこのMOMENTUM 3はCXシリーズなどのコスパモデルとは違い完全にハイエンド向けに作られたワイヤレスイヤホンです。96/24bitのハイレゾ音源対応となり、さらなる高い次元の音質を実現しています。
小手先のコスパモデルでは満足できなくなっているオーディオマニアにはウケ抜群のモデルです。
おそらくこれから多くの人に親しまれ今年のハイエンドモデルで売れ筋最上位の機種になることは間違いなしです!!
それではさっそく今回新たに入手した「MOMENTUM True Wireless 3 」の実機レビューを紹介したいと思います。
- SENNHEISER(ゼンハイザー) の「MOMENTUM True Wireless 3」の基本スペック
- 「MOMENTUM True Wireless 3」の同梱品・イヤホン
- 「カナル型」と「インナーイヤー型」の違い
- ゼンハイザー「CXシリーズ」と比較した違いは?
- 「MOMENTUM True Wireless 3」の製品重量は
- MOMENTUM True Wireless 3のカラバリは3色
- MOMENTUM True Wireless 3の装着感・見た目は
- MOMENTUM True Wireless 3の気になる点
- MOMENTUM True Wireless 3と他モデルとの違いは(スペック比較表)
- SENNHEISERのMOMENTUM True Wireless 3の音質
- MOMENTUM True Wireless 3は専用アプリも充実!
- まとめ
・MOMENTUM True Wireless 3の購入を検討中の方
・高級音質&通信の安定性&操作性を両立したハイエンドのワイヤレスイヤホンを探している
高音質を追求する方へ向けて「ハイレゾ」について解説しています。
SENNHEISER(ゼンハイザー) の「MOMENTUM True Wireless 3」の基本スペック
まずはゼンハイザーの公式HPで紹介されている紹介動画を確認してみましょう。ここでは外観のみで細かいスペックの説明がないので、しっかり説明したいと思います。
・充電コネクター:Type-C
・装着検出機能:対応(〇)
・ノイズキャンセリング:対応(〇)
・外音取り込み機能:対応(〇)
・ハイレゾ音源:ハイレゾ対応(96/24kHz)
・Bluetoot : LDSアンテナ+ BT5.2 Class1 (10mW)
・対応コーデック : AptX Adaptive,AptX,AAC,SBC
・再生時間 : 約7時間(イヤホンのみ)
・再生時間 : 約28時間(ケース併用)
・全高調波歪(THD + N)<0.08% (1 kHz / 94 dB)
・防水:IPX4
・定価:36,300円
・電源オフ⇒自動:15分操作が無いと自動で休止モード
・再生/一時停止/着信拒否⇒R側のマルチボタンを1回タッチ
・ANC:L側3回タッチ
・音量ダウン⇒L側のマルチボタンを長押し
・音量アップ⇒R側のマルチボタンを長押し
・曲戻し⇒L側のマルチボタンを2回タッチ
・曲送り⇒R側のマルチボタンを2回タッチ
・着信受話/通話終了/Siri⇒R側のマルチボタンを3回タッチ
コーディックによる圧縮・音質の違い
MOMENTUM True Wireless 3で採用されているaptX adaptiveは”「高音質」かつ「低遅延」なコーディック”といえます。2021年にaptX adaptiveはLDACと同じハイレゾ相当の96kHz/24bitに拡張されたことで、ハイレゾ対応になりました。
細かい説明をするとaptX Adaptiveは、データ転送時のビットレートを可変させながら伝送する技術です。
従来のaptXではビットレートが352kbps/384kbpsに固定されていたため、通信が混雑する場所や時間帯など環境によっては音の途切れやノイズが発生する場合がありましたが、aptX Adaptiveではリスニング環境の電波状況やデータ量に応じて転送ビットレートを280kbpsから420kbpsの間で可変させることで、安定して遅延の少ないオーディオリスニング環境が実現できます。
また、全高調波歪(THD + N)<0,08% (1kHz / 94dB)と表記があ全高調波歪(THD + N)が驚異の0,08% (1kHz / 94dB)未満の低歪がその実力の高さを示しています。
全高調波歪(THD + N)は耳馴染みが無い方も多くいるかと思いますが、言い換えると
歪が少ない⇒不要なノイズや振動板の逆共振など、音質面で不利になる要素が少ない⇒まとめるとつまり”高音質”
と思って頂ければ良いと思います。
「MOMENTUM True Wireless 3」の同梱品・イヤホン
同梱品は「取り扱い説明書」・充電用の「USB-C」ケーブル、イヤーピース(XS,S,L)、イヤーフィン(S,L)です。
ケースは樹脂にフェルト素材のコーティングがされたMOMENTUM2でも採用されている愛着感のあふれたデザインになっています。色はブラック、グレー、ライトブラウンの三色から選べます。
ケースを開けると、こちらのようにイヤホンが収納されています。ゼンハイザーのオリジナルロゴデザインがカッコよく刻印されています。こちらも外観は「CX400BT」や「CX TrueWireless」と比べるとすこし丸みを帯びたデザインへ変更になっています。
表面はピアノブラック塗装となっており、ロゴのある前面がタッチセンサーとなっています。
手のひらにのせるとこのようにコンパクトで小ぶりなのがお分かりいただけるかと思います。手にのせた感触としてもとても軽い印象です。
イヤホンの形状は角にC面のついた楕円になっています。イヤホン本体は小ぶりなカナル型のイヤホンになっています。見た目に高級感があふれ物欲を満たしてくれるデザインに仕上がっています。
イヤホンのタイプは「カナル型」です。
純正のイヤーピースは程よい硬さで、装着感も軽いのでとても快適です。イヤピースはCXシリーズとほぼ同様の材料と形状になっているかと思います。
私の耳にはしっかりフィットしたので、低域の量感はφ7mmという小ぶりなドライバーの割には豊富に感じられました。
ステム・ノズル・筐体裏側は前作のMOMENTUMとほぼ変わりませんが、イヤーフィンがあらたに追加されたことによって耳へのフィット感や密閉感が増し、低音がさらに豊かになっているようにも感じられます。
・耳に適度にフィットするので、豊かな「低域」を再現
・遮音性が高く、ノイズキャンセル要らず
・激しい運動をしても、耳から落ちにくい
■デメリット
・周囲の音が聞こえないので、電車のアナウンスなどを聞き逃しやすい
・耳への圧迫感がある
「カナル型」と「インナーイヤー型」の違い
タイプ | カナル | インナーイヤー |
密閉感 | 強い | 弱い |
装着感 | 強い | 耳にかけるタイプ |
低音感 | 強い | 弱め |
外音の聞こえやすさ | 聞こえにくい | 聞きやすい |
イヤホンのタイプは大きく分けて”カナル型”と”インナーイヤー型”の2種類に分類されます。
両者の音質面での大きな違いは「低音感」「装着感」そして「外音の聞こえやすさ」です。
密閉感の強いカナル型の方が、人によっては圧迫感を感じやすい一方で、ノイキャンのように外部の雑音が聞こえにくかったり、「低音感」をうまく引き出せる傾向があります。
MOMENTUM True Wireless 3はそのままでは遮音性が高く周りの音が聞こえにくいですが、優れた外音取り込み機能が付属しているので歩行時には周囲の音も自然に聞こえるように工夫されています。
安価なイヤホンではよく有る外音取り込み機能ならではの風切り音や不快なホワイトノイズも全くないのでとても快適です。
ゼンハイザー「CXシリーズ」と比較した違いは?
MOMENTUM3はファブリック素材で、ワイヤレス充電も対応!
上の写真のとおり、MOMENTUM True Wireless 3の方がサイズはひと回り大きくなっています。外観についてはCXシリーズは樹脂コーティングのみに対してMOMENTUM True Wireless 3ではファブリック素材が追加されています。
左が「CX Plus TrueWireless」で右が「MOMENTUM True Wireless 3」になります。充電端子はどちらも「Type-C」です。
全体的なサイズはMOMENTUM3の方が大きいものの、全高はMOMENTUM3の方が低くなっています。
ケースを開くとこのようにCXはロゴが刻印ではなく、白の塗装になっています。
やはり値段もMOMENTUM3は3万円台なので基本的には前作のMOMENTUM2を継承し、高級感のある部品が使われている印象です。
「MOMENTUM True Wireless 3」の製品重量は
イヤホンを含めた本体の重量は”77.7g”と狙ったのかラッキーセブンになっています。
イヤホン本体の重量は"11.8g"でCXシリーズと同等の軽量タイプです。
ノイキャン機能があるとマイクなどの集音が付属する構造上、重くなりがちなわりに、軽いのでおすすめです。
MOMENTUM True Wireless 3のカラバリは3色
イヤホンの色は左からホワイト(ケース色:ライトブラウン)、グラファイト(ケース色:グレー)、ブラック(ケース色:ブラック)です。
MOMENTUM True Wireless 3の装着感・見た目は
どのカラーもモデルさんが付けるととてもカッコよくスマートに見えますね。どの色もカッコよくて迷いますが、お好みの色で選びましょう。
全体的な好みの傾向としてはホワイトは女性に人気で、ブラックは男性に人気があります。
MOMENTUM True Wireless 3の気になる点
・マルチポイントに非対応
音質面、ノイキャン機能も特に不満はなく、外音取り込み機能もとてもナチュラルで正直非の打ちどころが無い完成度になっています。
ただしハイエンドモデルという観点でしいて何かあげるとしたらマルチポイントに非対応というぐらいでしょうか。
マルチポイントは、通常接続できない同じプロファイルの機器を接続可能にする機能になります。
これまではPCやスマホなどでワイヤレスイヤホンを使い分ける時は、一度Bluetoothの接続を切り替える必要がありましたが、同じプロファイルの親機でもマルチポイントに対応することで簡単に切り替えができるようになりました。
ワイアレスイヤホン自体の歴史はまだ浅く、まだまだ市場全体としても発展途上の段階です。さらなる進化に期待したいと思います。
MOMENTUM True Wireless 3と他モデルとの違いは(スペック比較表)
スペック表 | CX Plus TrueWireless | CX TrueWireless | MOMENTUM True Wireless 2 | MOMENTUM True Wireless 3 |
Bluetooth | 5.2 | 5.2 | 5.0 | 5.2 |
カラバリ | 白・黒 | 白・黒 | メタリック | 白・黒・グラファイト |
コーディック | SBC,AAC,aptX,aptx adaptive | SBC,AAC,aptX, | SBC,AAC,aptX | SBC,AAC,aptX,aptx adaptive |
防水 | IPX4 | IPX4 | IPX4 | IPX4 |
重量 | 片側:6g,ケース込:47g | 片側:6g,ケース込:47g | 片側:6g,ケース込:47g | 片側:6g,ケース込:77g |
再生時間 | 本体:8h,ケース込み:24h | 本体:9h,ケース込み:27h | 本体:5h,ケース込み:15h | 本体:7h,ケース込み:28h |
ノイズキャンセル | 〇 | × | 〇(マイク1基) | ◎(マイク2基/自動) |
外音取り込み | 〇 | × | 〇 | ◎ |
イヤフィン | × | × | × | 〇 |
価格 | 21,780円 | 17,380円 | 39,930円 | 36,300円 |
スペック比較
上の表に示すとおり、MOMENTUM True Wireless 3は最新モデルだけあって、ノイキャン用のマイクも2基搭載しており、Blutooth規格も5.2で、AptX adaptiveにも対応しているなど性能も最新にアップデートされています。
CX TrueWirelessとの違いはノイズキャンセリング機能の搭載、aptX Adaptiveへの対応、「サイドトーン」という通話時に自動で音楽再生の音量がすっと下がる機能です。
本体はPX4相当の防滴機能にも対応しています。バッテリー駆動時間は約7時間(ANCオフ)、ケース充電併用で合計28時間の再生が可能です。
ノイキャン機能も以前はSONYのWF-1000XM4やAirpods Proと比べるとそれほど強くはないと感じていましたが、MOMENTUM True Wireless 3ではマイク性能自体が改善し、マイク機器も1基増え、イヤーフィンも追加となることによって大幅に性能改善されています。
結果的には同等以上のノイズキャンセリング性能といえます。とくに外音取り込み機能のナチュラルさはとても快適です。
CX Plus TrueWirelessの実機レビューは以下で詳しく紹介しています。
SENNHEISERのMOMENTUM True Wireless 3の音質
MOMENTUM3もゼンハイザーのワイヤレスイヤホン全般に共通している歪感の少ない”原音に忠実な音質”が再現されており、「音の分離感(鳴っている楽器が混ざらず区別できる)」が素晴らしいです。
CX Plusで個人的に少し物足りないと感じていた低音感もしっかり効いており、バランスが非常に良いと感じました。おそらくイヤーフィンをつけたことで、より低域の漏れを防ぎ効率的にブーストできているのだと思います。深みのある正確な音質で、EDMもお手の物!迫力があるがボワットしない整った質感です。
また、すこしディレイのような音の広がり感も感じられたのでうまくイコライジングで調整できている印象です。中高音は特にクリアで煌びやかで艷やかな質感です。MOMENTUM2と比べると、より空間が広く曇の無い澄んだ音質といえます。
ホワイトノイズが無く高音質で音楽を楽しめます。さらに今回aptX Adaptiveの96kHz/24biに対応した為音質はMTW2と比べると、より明るく細かい音まで分かりやすく感じます。
音源をリアルに再現できるので、オールジャンル楽しめる万能機といえるのではないでしょうか。
ゼンハイザーの魅力の原点とも感じられる”原音に忠実な音質”が再現されており、一つ一つの楽器がカンタンに聞き分けられるほどの高音質に仕上がっている。
バスドラ、ギター、ピアノ、スネアドラム、シンバルなどの楽器音がしっかり区別できるぐらいクリアに心地よく聴ける。
MOMENTUM True Wireless 3は専用アプリも充実!
ゼンハイザーのワイヤレスイヤホンを使う際にはSmart Controlと呼ばれる以下の専用アプリがとても便利です!

ゼンハイザーの専用アプリで1分でカンタン接続!


こんな感じでペアリングも簡単にできるので、ゼンハイザーのワイヤレスイヤホンを購入したらすぐに専用アプリをインストールしましょう。
イコライザーモードでは独特のイコライザー機能によりポイントを動かすことで全体の音調整を自動で行えます。
私は原音のまま聴くのが好きですが、気分にあわせて音質調整したい人は使ってみてはいかがでしょうか。
タッチセンサーは「ピッ、ポッ、パッ」の直観操作感が抜群
MOMENTUM True Wireless 3は他のモデル同様に直感的な操作が出来るタッチパネルを搭載しています。
最上位モデルであるMOMENTUM True Wireless2と同じタッチパネルセンサーを採用し、反応の良い快適な使い心地になっています。
音でもタッチの状況をアシストしてストレスフリーです。他のメーカも見習ってほしいぐらい、このタッチ時に「ピッ、ポッ、パッ」と音が鳴るのが大変便利です。
こちらの機能は旧モデルから引き継がれており、重宝する機能となっています。
まとめ
今回はゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 3 」の実機レビューを紹介しました。
実際に2週間ちかく使ってみた個人的な感想としては、コスパ重視の中華イヤホンからすこし背伸びして有線イヤホンでなくても贅沢な音質を楽しみたいって人へは心からおすすめできるワイヤレスイヤホンです。
前作のVGPアワード2019Summer and 2020で金賞を連続受賞した「MOMENTUM True Wireless 2」から音質面やノイズキャンセルなどの機能面でさらなる進化を遂げた完全ワイヤレスイヤホンの最高峰の一つといえます!
以前はノイキャンと言えばAppleの「Airpods Pro」かSONYの「WF-1000XMシリーズ」という風潮があり実際にこの2機種はノイキャン最上位といって間違いはないのですが、その二つの選択肢だけでなく、ゼンハイザーのMOMENTUM3も追従する形で入ってきたなと実感しています。
現状ではまだ発売間もないので、街中を歩いていても、つけてる人を全く見かけなくて、優越感に浸れ、最高です。半年後にはどれだけこのイヤホンを付けている人が増えるのかを見るのがいまから楽しみです。
高音質ドライバー搭載で低歪でクリアな音質
・高いノイズキャンセリング機能による静寂感
低遅延で高音質なAptX adaptiveに対応
・防水対応(IPX4)
イヤーフィン搭載で高い遮音性と心地よいフィット感

音質
通信安定
ノイキャン
専用アプリ
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