日本のオーディオ最高権威であるVGP2022 金賞を受賞したワイヤレスイヤホンSoundPeats(サウンドピーツ)「H2」の実機レビューを紹介します。
最初このイヤホンの色をみて、なんだ!?この宇宙感満載のメタリックなイヤホンは。。と若干引き気味だったのは束の間。
前澤社長のように宇宙へのおともに持っていきたくなるような?実力派のイヤホンでした。
旧モデルであるSOUNDPEATS「H1」は、2020年に国内最大級のクラウドファンディングサービスのMakuake(マクアケ)で目標値の10244%以上に達成し、大ヒットしています。
「SOUNDPEATS H2」は、この大ヒットした姉妹モデル「SOUNDPEATS H1」の良さに踏襲し、音質をさらに向上させた複合素材振動板を仕込み、高級感の漂い、音質にこだわり抜いた「美」のワイヤレスイヤホンとして新たに登場したイヤホンになります。
結論から言うと、本モデルはバランスドアーマチュア型とバイオ振動板をダイナミック型のハイブリット構造により、クリアで繊細な中高域のサウンドに、低域もしっかり感じられるワンランク上の音質に仕上がっていて、今期レビュー史上で最上位に食い込む高音質なワイヤレスイヤホンです。
バランスドアーマチュア型は元々、微かな音も逃さず捉える”補聴器”用途に使われていたこともあり広帯域で明瞭な特性を持っています。
最近ちょくちょくサウンドピーツさんのワイヤレスイヤホンレビューをさせていただいているのですが、とにかくどのモデルも「音質面・機能面」に妥協が無いモデルが多く、新モデルの販売サイクルもとても速いのが特徴的です。
今期のコスパ部門で本命となりそうな音質&機能面の充実した「H2」を前モデル「H1」と比較もいれつつ、なぜ本モデルが優れているのか、すごいのかについて分かりやすくレビューしていきます。
・SoundPeatsの最新ワイヤレスモデル「H2」の実機レビュー
・BA&ダイナミック型のハイブリッドワイヤレスイヤホンで高音質な音楽を楽しみたい
ワイヤレスイヤホンの選び方は以下の記事でくわしく解説
SoundPeats(サウンドピーツ)とはどんな会社
企業名:深圳市音科资讯科技有限公司
所在地:深圳市龙华区龙华街道创业路汇海广场B座1309
設立:2011年12月28日
代表:杨晋
資本金:100万(元)
ブランドホームページ:http://www.soundpeatsaudio.com
問い合わせ先
メール:support@soundpeatsaudio.com
SoundPEATSは、TrueAir2+やSonicProといった人気ワイヤレスイヤホンを販売している中国ブランドです。
中国深センにある深圳市音科资讯科技有限公司が商標を保有し、SoundPEATSの商品の製造&販売をしています。
同社は2011年に設立された中国企業で、主にBluetoothヘッドフォン、有線ヘッドフォン、Bluetoothスピーカーなどの音響機器の設計や開発を行っています。
その後、2013年にブランド「Soundpeats」を設立しています。最近の深センの賃貸の月額は日本の新宿並みもしくはそれ以上ともいわれており、家賃が数十万円から高いところでは数百万円します。つい10年前までは、給料も日本の半分以下だったのが、ずいぶんと状況が変わってきています。
つまり、ひと昔の中華メーカーの印象として強い低コストの模倣品のイメージとは全く違っており、低コスト&高品質、高性能のモノがとても多いです。(私も正直びっくりしていますが…)
はっきりいって、日本の有名なオーディオメーカーとも余裕で肩を並べるほどの実力をつけています。
SoundPeats(サウンドピーツ)のH2の実機レビュー
最近、ノリにのっているサウンドピーツですが、今回レビューするイヤホンもとても特徴的な面白い商品になっていました。
まず今回はパッケージからして、近未来的な宇宙感があふれているのが見てわかっていただけるかと思います。
はい、そうです。最先端技術ということを際立たせるためにこのモデルは宇宙もモチーフになって開発&設計されたようです。
スターウォーズ好きにはハマるかもしれませんね。ただ、後半で詳しく解説しますが、今回は見た目だけでなく、音質面にかかわる仕様にもこだわりがあるので、ここで驚くところではありません。
ケース外観は上品なメタリック基調で光沢感のあるカラーにピンクゴールドのSoundPeatsの「S」のロゴが際立っています。
このケースもなんだか宇宙船っぽくて、個人的にはかなり好きです。
ケースを開くと、こちらのようにワイヤレスイヤホン「H2」が入っています。
中は薄いグレーカラーのケース色になっており、また今までのサウンドピーツのイメージである大人びたブラック基調とは打って変って、爽やかな感じになってます。
SoundPeats(サウンドピーツ)のH2 の基本スペック
・再生/一時停止⇒イヤホンのボタンを2回タッチ
・音量ダウン⇒L側のマルチボタンを1回タッチ
・音量アップ⇒R側のマルチボタンを1回タッチ
・Siri⇒マルチボタンを3回タッチ
・曲戻し⇒L側のマルチボタンを約1.5秒長押し
・曲送り⇒R側のマルチボタンを約1.5秒長押し
・着信受話/通話終了⇒マルチボタンを2回タッチ
・着信拒否⇒マルチボタンを約1.5秒長押し
・通話切り替え⇒マルチボタンを約2秒長押し
・ペアリングモードへ変更⇒マルチボタンを同時に6秒間タッチ
・ゲーミングモード⇒L側のマルチボタンを3回タッチ
コーディックによる圧縮・音質の違い
SBC:音楽視聴の“標準”コーデック
AAC:圧縮率は同じで“高音質”なコーデック
aptX:圧縮率少なめで“もっと高音質”なコーデック
aptX HD:ハイレゾ対応の“超高音質”なコーデック
aptX Adaptive:高音質のaptX HDや低遅延のaptX LLなどを統一化し、環境に応じて転送時のビットレートを自動可変しながら伝送するようにしたコーデック
LDAC:ハイレゾ対応の“神音質”なコーデック
今回採用されているaptXは”ハイレゾ以外で最も高音質なコーディック”といえます。
また、最近流行りの低遅延の「ゲーミングモード」も搭載しています。
フォートナイトでも試してみたのですが、他のBluetoothイヤホンで気になり過ぎて諦めていた「遅延」がずいぶん低減されていることが体感でもわかります。
SoundPeats(サウンドピーツ) H2の同梱品・イヤホンは
同梱品は「取り扱い説明書」・充電用の「USB-C」ケーブル・「イヤピース(S,L)」です。
H2 のイヤホンの特徴
イヤホン外観は性能に相応しい外観でデザインされ、メタリック調ゴルドーと神秘調グレーの調和がイイ感じです。
カタチはAirpods Proのような、ステム&カナル型タイプになっています。耳への収まりがとてもよくポロっと落ちにくい構造になっています。
イヤピースにもこだわっており、イヤピースの中央部分のオレンジ色箇所が少し硬くなっており、密閉感も高くなっているので、低音豊かに仕上がっています。
手のひらにのせるとこのような感じです。大きさはワイヤレスイヤホンの中では標準的です。
イヤホン本体の重量は”10g”で、片耳あたり5gになります。サイズはわりと一般的な部類になりますね。
イヤホン重量(L・R):10g(片耳:5g)
SoundPeats製「H2 」のケースは
ケースは冒頭でも少し紹介しましたが、楕円形状で手のひらにスッポリ収まるぐらいのコンパクトサイズです。角が丸いので、横向きには置くことはできません。
H2のケースはもちろん現在主流の「USB-C」が採用されています。基本的に、SoundPeatsのケースは全て「USB-C」タイプになっています。充電時に裏表を間違えなくていいので、便利ですよ。
ケース込みの全体の重量は「56.4g」です。
SoundPeats「H1」と「H2」の違いは?
前作「H1」と本モデル「H2」違いとしては、ドライバーがφ8.6mmのダイナミック型からφ8mmのバイオセルロース振動板の複合振動板のダイナミック型に変更になっています。
これにより、より低音が豊かで、高解像度の音質に仕上がっています。
ゲーミングモードにも対応することで、より幅広い層をターゲットにした仕様へ変更されています。
・音質がよりクリアで低音豊かに!(φ8mmの複合バイオセルロース振動板搭載)
一方で、ワイヤレス充電には非対応、イヤホン単体での再生時間も10時間から5時間へ少なくなっているのが少し残念なポイントです。
残念な点
・ワイヤレス充電には非対応
・防水機能はIPX4
・イヤホン単体での再生時間が10時間⇒5時間へ
・欲を言うならば、チューニングアプリがあると尚良い
イヤホンの連続再生時間は割と長く使っていると重要なポイントなので、少し残念でした。とはいえ、イヤホン単体でケースにしまわず5時間ぶっ続けで聴き続ける人はいないかと思います。
防水性能とワイヤレス充電、再生時間を重視するなら「Sonic Pro」がおすすめです。マツコの知らない世界でも紹介されたイヤホンです。
Knowles製のバランスドアーマチュア採用で低歪でクリアな音質
バランスドアーマチュア型(BA)は補聴器にも使われているとおり、ダイナミック型とは違い中高域にかけて音質が格段にクリアになります。
一方で、BA型のデメリットとしてはまず製造コストが非常に高く、高価です。製造できるメーカもSONION社製やアメリカのKNOWLES社など数えるほどしかありません。
ダイナミック型と違って、歪が少ない反面、ダイナミック型ほどの広帯域では音が出せません。そのため、デュアルにして補うなどの工夫が必要になります。
その低域は今回新たに採用になった”バイオセルロース”のフリーエッジの複合振動板が採用されることで、しっかり補われており、とてもバランスの良い音質に仕上がっています。
上図で低域のドライバー#1はダイナミック型、ドライバー#2のクリアな高域をバランスドアーマチュアでだし、クロスオーバーのチューニングを加えることで高音質を実現しています。
今回、SonicProでは補いきれなかった低域感はダイナミック型のハイブリット構造にすることによってしっかりと補われ、アタック感などもしっかり感じられた点は個人的にとても高評価です。
⇒バランスドアーマチュア(BA型)とバイオ振動板の複合型のダイナミック型のハイブリット構造とクロスオーバー技術
・通話中、周囲の音を検出してノイズを軽減することができ、クリアで聞こえ易い音声(片側に2基、合計4基通話用の高品質マイクが内蔵)
まとめ
今回、VGP2022 金賞を受賞したワイヤレスイヤホンSoundPeats(サウンドピーツ)「H2」の実機レビューを紹介しました。
レビュー内でも紹介した通り、本モデルはバランスドアーマチュア型とバイオ振動板をダイナミック型のハイブリット構造と、適度なクロスオーバーチューニングでイイ感じに仕上がっています。
一度聴いてもらえばすぐにわかると思いますが、クリアで繊細な中高域のサウンドに、低域もしっかり感じられるワンランク上の音質に仕上がっていて、今期レビュー史上で最上位に食い込む高音質なワイヤレスイヤホンといえます。
ノイキャンは特にいらないからもっと音質にこだわったワイヤレスイヤホンが欲しい人に特におすすめです。
また、マイクも4基ついてるのでテレワーク用としても使えますし、ゲーミングモードで低遅延でFPSのゲームもできます!
気になる方は、このワイヤレスイヤホンで宇宙旅行気分を味わってみてはいかがでしょうか。
SoundPeats H2
H2特徴
バランスドアーマチュア(BA型)&ダイナミック型のハイブリッド
QCC3040&AptX adaptive搭載により、優れた通信安定性
テレワークや普段の通話もクリアな音声(マイク4基搭載)
・低遅延なゲーミングモードにも対応し、防水もIPX4で生活防水有り
音質
通信安定
バッテリー
防水(IPX4)
「H2」ほどの高音質は求めないけど、値段ももう少し安くて、とにかくコンパクトで低音もでてる使いやすい防水イヤホンを探している方へは「mini」もおすすめです。
バイオセルロース振動板を1基搭載したコンパクトでコスパの良いイヤホン「Air3」もレビューしています。インナーイヤータイプなので耳への負担も少ないのが特徴です。
「TrueAir2+」はバイオセルロース振動板を1基搭載したインナーイヤー型モデルです。振動板サイズがφ10mmと大きいので、インナーイヤーの弱点である低音もよく補えているのが特徴的です。