HIFIMAN JAPANの中でも圧倒的な人気を誇る平面磁界型ヘッドホンSUNDARAの密閉型verとなる「SUNDARA-C」が新発売され入手したので、実機レビューを紹介します。
「SUNDARA-C」は2018年にVGP Summerを受賞してからHIFIMAN JAPANの中でも未だに不動の人気を誇るヘッドホン「SUNDARA」の音色を踏襲した密閉型バージョン仕様になります。
密閉型になったことによって従来品と比べて音漏れもないので、外出時でも周りの目を気にせず気軽に楽しむことができます。
また、密閉型バージョンとはいってもヘッドホンのハウジング部分はウッド仕様となり外観は「SUNDARA」とは似ても似つかない新デザインとなっています。
「SUNDARA」の由来は古代サンスクリット語で「美しい」という意味をもっており、まさに名前の通り全方位で機能美を追求したヘッドホンです。
「SUNDARA-C」は2022年の中野で開催されたヘッドホン祭りにも出典され大変好評だったヘッドホンです。実際に私も聴いてみてとても好みの音質でした。音質はパワフルなサウンドで音場が広く、低域重視というよりは中高域よりのチューニングに仕上がっています。
今回はこのHIFIMAN JAPANの中では珍しい音漏れを気にせず使える密閉型「SUNDARA-C」の実機レビューをしていきたいと思います。
- オーディオメーカ「HIFIMAN」
- HIFIMAN 「SUNDARA-C」の基本スペック
- 「SUNDARA」の実機レビュー(外観・デザイン)
- 代表機種のスペック比較表
- 「SUNDARA-C」と「DevaPro」「SUNDARA」との比較
- 「SUNDARA-C」のおすすめポイント
- まとめ
オーディオメーカ「HIFIMAN」
HIFIMANは、Fang Bian氏がニューヨークで2007 年に創設した会社であり、早くからハイレゾオーディオの重要性に着目したオーディオ企業のひとつです。
HIFIMANはその功績が広く認められ2019年から一般社団法人日本オーディオ協会の会員となっています。
HIFIMANの製品はオーディオマニアを熱狂させたHE5平面駆動型ヘッドフォンを始めとして、高性能ヘッドフォンとポータブルオーディオを最も多く開発したメーカーのひとつとして認知されています。
毎年新しい平面駆動型ヘッドホンを次々に発表しており、ヘッドホンオーディオマニアの中でも高い支持を得ています。
HIFIMAN 「SUNDARA-C」の基本スペック
周波数:6Hz-50KHz
ヘッドホンタイプ:密閉型
能率:97dB
インピーダンス:20ohm
付属品:着脱可能バランス対応3.5mm端子付き標準ケーブル、6.35mm変換プラグ
本体重量:432g
「SUNDARA」の実機レビュー(外観・デザイン)
こちらが開封前の「SUNDARA-C」です。
開封するとこちらのようにヘッドホンが収納されています。
こちらが「SUNDARA-C」の外観になります。ウッド基調のデザインがアクセントになっており、カッコイイですね。密閉型なのでもちろんハウジング部分はクローズになっています。
付属品はヘッドホンの他に着脱可能バランス対応3.5mm端子付き標準ケーブル、6.35mm変換プラグになります。
側面から見るとヘッドホンのカタチは円形で、愛着が湧きやすいデザインとなっています。
ヘッドバンドは金属性のハンガーと合皮のダブル仕様になっており、合皮をクッション代わりにすることで頭頂部への圧迫感を減らしています。こちらは「SUNDRA」と同じ素材とデザインを採用しているように見えます。
ヘッドバンドは段階式で長さ調整ができるようになっています。少し硬めですが、勝手にずれることがないので安心感がありますね。
イヤーマフの部分はスポンジ感が少なく夏でも蒸れにくく、冬はあったかいクッション性の高い素材になっています。
これからの秋冬の季節には耳あての代わりにもなってちょうど良さそうです。装着感は耳への圧迫感も少なく、フィット感が良いです。
イヤホンジャックは筐体下側についています。
6.35mm変換プラグとヘッドホン・ケーブルが付属しています。ヘッドホンとの接続部は3.5mmプラグになっています。
重量は412gとなっており「SUNDARA」よりは少し重いですが、実際に装着してみた感触としては、さほど重さを感じず装着感も良好で気になりません。
代表機種のスペック比較表
スペック表 | SUNDARA | SUNDARA-C | DevaPro | HE400SE |
帯域 | 6Hz~75KHz | 6Hz~50KHz | 20Hz~20KHz | 20Hz~20KHz |
能率 | 94dB | 97dB | 93.5dB | 91dB |
無線対応 | × | × | 〇(LDAC,aptx-HD,aptx,AAC,SBC) | × |
音質 |
開放型 音抜けが良く、広帯域かつ低歪 |
密閉型 パワーがあり、開放型にも引け劣らずの伸びやかな音の分離の良いサウンド |
開放型 低域から高域までバランスが良い |
開放型 ヘッドホン入門者向けにおすすめなクリアな音質 |
振動板 | 薄型平面駆動マグネット | 薄型平面駆動マグネット | 薄型平面駆動マグネット | 平面駆動マグネット |
重量 | 372g | 412g | 360g | 390g |
価格 | 37,590円 | 55,880円 | 36,300円 | 16,500円 |
スペック比較
「SUNDARA-C」と「DevaPro」「SUNDARA」との比較
こちらは代表的なHIFIMAN JAPANのヘッドホンになります。左から順に「SUNDARA」「SUNDARA-C」「DevaPro」。
先ほどのヘッドホンのスペック表と比較しながら詳しく見ていただければと思います。
「SUNDARA」は「SUNDARA-C」の開放型バージョンのヘッドホンになります。平面駆動型ヘッドホンの入門機ともなりえるスタンダードモデル決定版モデルです。色付けのすくないフラットチューニングな音質。解像度は他のモデル同様に高くなっています。特にギター、エレキなどの弦楽器の音は美しく、原音忠実再生です。音場も広く、アタック感のあるドラムの音も聴いていてとても心地良いです。
「DevaPro」はメタリックな素材にインパクトがあり、付属のR2R Bluetooth miniを装着することでワイヤレス化も可能なおすすめ機種です。
いづれの機種もHIFIMA独自のNEO"supernano"振動板 (NsD) を採用することで、「HE400SE」などの従来機種よりも80%も薄く、素早い信号応答と豊かで精細感のある音楽を再現しています。
HIFIMAN JAPANのヘッドホンのエントリーモデルは以下でレビューしています。
「SUNDARA-C」のおすすめポイント
次世代型の密閉型スタンダードモデル
「SUNDARA-C」のおすすめポイントはズバリ「外出時にも持ち歩いて高音質をどこでも楽しめる」&「ウッドベースのハウジングからかき鳴らされる密閉型ならではの締まりの良いパワフルなサウンド」です!
今まで私がレビューをしてきたHiFiMANの代表的なヘッドホンは全て開放型でしたので、メリットとして圧倒的な音抜けの良い低歪なサウンドが実現されています。一方で、開放型は音質に全振りしている分だけ音漏れが無視できません。
今回新発売となった「SUNDARA-C」は密閉型にしたことによって、音漏れを気にしなくていいので、自宅はもちろんのこと外でも他人の目を気にすることなく自由に聞くことができます。
私も今まで外でHiFiMANのヘッドホンを聞いたことがなかったので、これから出かける時のお供にしようと思っています。
今回「SUNDARA-C」を聴いてとてもびっくりしたのが、密閉型なのにもかかわらずしっかり音質面に妥協がなく、音抜けもしっかり良い点です。もちろん密閉型かつ振動面積に対しても十分な容積も確保されているので、無理なく締まった低域も楽しむことができます。
私個人としては密閉型の良さが活かされ「SUNDARA」よりもさらにパワーがあり、こちらも好きなサウンドです。平面駆動型ドライバーを採用することで、音の分離もよく、奥深いサウンドです。
さらに、音質を重視するためにハウジング容量も開放型に対して広く容積を確保するだけでなく、材質を木材にすることで筐体内部の不要共振をうまく軽減しています。
開放型ヘッドホンは家で静かな環境で聞くことが前提とされますが、密閉型の「SUNDARA-C」では外部ノイズによる影響も受けないので、音に安定感が増し、汎用的に使えるのでとても使いやすいです。
「SUNDARA」の音質面に関しては、変な色付けのすくないフラットチューニングな音質なのですが、「SUNDARA-C」では密閉型によりよりパワフルで低音もしまった音質に生まれ変わっています。
強いてデメリットを挙げるとすれば開放型では長時間のリスニングでも聴き疲れしにくいのですが、密閉型ゆえに長時間のリスニングには向いていないかもしれません。ただし、仮に外出時に聞くとしても飛行機や電車、バスなどの移動時間に限られると思うので、あまり気にしなくて良いと思います。
音の広がり感につながるディレイも適度に感じられ、音の余韻が適度に残る感覚があります。
・外出時にでも聞け、汎用性の高い平面駆動型の次世代ヘッドホンスタンダードモデル
・開放型「SUNDARA」のフラットチューニングな音質に対して、パワフルなサウンド。音場も広く、低域重視というよりは中高域よりのチューニング。密閉型の割には音抜けも◎。
・平面駆動型の良さがしっかり踏襲されており、ギター、エレキなどの弦楽器は煌びやかで原音忠実再生。
まとめ
今回はHIFIMAN JAPANの密閉型の平面磁界型ヘッドホン「SUNDARA-C」の実機レビューを紹介しました。
結論としては、個人的に2022ベストバイなヘッドホンであるお気に入りのヘッドホンの一つとなりました。
「SUNDARA-C 」は今回比較したHIFIMAN JAPANの人気平面駆動型モデルの中でもハイエンドモデルの位置付けのヘッドホンとなりますが、物欲を満たしてくれ、満足度はとても高いです。
音質に関してもHIFIMANから発売されていた開放型のヘッドホンとも音色の変化が楽しめ、よりパワフルなサウンドを鳴らしてくれます。
少し大きいかなとも思いますが、寒い季節にはイヤーマフ代わりにも使えそうなので、旅行時の移動中などにも重宝しそうです。